仕事が増えるとめんどくさいと感じる件について

この前の日記の脱線部分で、行政や、司法は、仕事が増えるとめんどくさい、と書きました。
少し敷衍します。



仕事が増えるとめんどくさいのは当たり前です。
ですので、全く従業員が「めんどくさい」と感じることを責めるつもりはありません。
「めんどくさい」と言ってきても、笑顔や苦笑なら、また友人としてなら責めません。
苦虫を噛み潰した顔で、こちらを責めるように、「めんどくさい」と言ってきたら、
徹底的に攻撃します。めんどくさいなら、やめろといいたい。
誰もお前に頼んでいない。
仕事がめんどくさいならさ、やめてくんないかな、公務員。
普通の人は、めんどくさいけど、やめられないから、めんどくさいっていえないんだよ。
少なくとも、客には。

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公務員は、事業体としては、全く競争がありません。
目的が公益だからね。そりゃ論理必然的にやむをえんでしょう。

東京地裁横浜地裁で競争したりしているのかはわかりませんが、
仮にしているとしても、それは単なるプライドの問題でしょ。予算獲得とか関係あるのかな。ま、これはおいておく。あんまり本質的ではないので。


だから、事業体としての競争ではなくてさ、
他の公務員との競争にするしかないと思うのよね。
つまりは、雇用における競争です。公務員は独立事業主とするわけです。
公務員は、全員派遣にして、年俸制、毎年契約更改。
上司と、部下と、利用者たる国民から、毎年勤務評定を受けて、
それに基づいて来年の契約が決まるわけ。
スーパー公務員は複数年契約とかも別にいいよ。
でも、複数年契約を認可した上司公務員は、別の評価にさらされるけど。


これさ、地方公務員なら出来ると思うんだけどなぁ。
公務員って、めちゃくちゃみんななりたがるんだからさ、
めっちゃ流動的にすればいいじゃん。
雇用間の競争を刺激しない限り、彼らは仕事にやる気を出さないでしょう。
本気出さないと、翌年はクビ、っていいと思うんだけどなぁ。

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ただし、公務員に、給与も上げず、上記のような競争原理も設定せずに、
異常な倫理観とか、やる気とかは要求してはいけません。
当該組織に勤務している人たちは、我々と何らかわりのない、普通のサラリーマンです。
公務員だからって、特別の能力とやる気と職業倫理を要求してはいけません。
1年前まで大学の同級生だったのに、いきなり公務員になったらやる気と職業倫理が身につくわけありません。抽象的に、公務員を捉えてはいけません。


学校の先生とかもそうだけど、職業で人を区別してはいけません。
職に貴賎なしって習わなかった?



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で、何が言いたいかというと、
例えば、裁判所書記官が、勾留に対する準抗告を出されてめんどくさいのはわかる。
仕事が増えるからね。
準抗告を出されなければ、仕事はないからね。



でもね、憲法上の権利だけは、めんどくさいの抗弁がきかないのだよ。
そこだけは、公務員なんだから学んで欲しいし、心に刻んで欲しい。
仕事が増えるとめんどくさい、という気持ちはわかるし、公務員だからって特別な倫理観を要求しているわけではないが、憲法上の権利に対してだけは、決してめんどくさいといってはいけないし、仕事を怠けてはいけない。


公務員の皆さん、本当にお願いだ。
憲法上の権利に対してだけは、意識を高めて欲しい。
公務員がそれを怠れば、日本は法律のない国家に成り下がる。
野蛮な国家か軍事(腕力)国家だ。前近代的な国家だ。
本当にそれでいいのか。
世界2位のGDPと言いながら、世界中から刑事手続きを糾弾される、そんな国でいいのか。
労働基準法が全く守られず、男女同権が果たされず、自殺者が年間3万人を超える、
そんな国でいいのか。
憲法を守るのは、国民ではなくて、国家であって、権力だ。
権力が憲法を守らなくなるとき、その国から法律はなくなる。
公務員とは、権力の担い手だ。
あなたたちはめんどくさいと感じる日々の仕事は、全て権力の行使に直結している。
権力の担い手こそが、憲法の擁護者であり具現者であるべきだ。
公務員の試験は、行政能力と、それだけでいいはずだ。
日々の仕事をめんどくさいと思うとしても、憲法上の権利に対しては、背筋を伸ばして、仕事をする。
それだけでいいはずなんだよ。


日本国憲法第99条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

では、また。