少し遅くなってしまったけど、川崎の後日談

Jリーグの鬼武健二チェアマンは10日、ヤマザキナビスコカップ決勝後の表彰式で非紳士的な態度を取った1部(J1)川崎を厳重注意した。クラブ側が返上を申し出ていた準優勝賞金は受理せず、使途を地域貢献などに限定するよう指示した。

 同日、東京都内で開かれたJ1実行委員会で報告された。鬼武チェアマンは、「反省の態度を示しているし、リーグ規約に処分する条文がない」などと説明。規約上の制裁には当たらない厳重注意にとどめた。

 また、川崎が返上を申し出ていた準優勝賞金の5000万円については、同チェアマンがクラブ独自の社会貢献や地域振興、選手教育に充てるよう提案。川崎・武田信平社長も了承し、使途などの報告書をリーグに提出することになった。

 川崎は3日の決勝に敗れた後、一部選手がガムをかんで表彰式に参加し、来賓の握手を拒否。授与された準優勝メダルをその場で外すなどの行為が問題視され、リーグ側が処分を検討していた。



リーグ規約に処分する条文がない
・・
・・・
・・・・
条文は、「ない」のではなくて、作っていなかったのです、あなたが。


ありがちな結論でしたが、ある意味意外でした。
自主返納にさせたから受理すると思いました。
そのために自主返納にしたんじゃなかったの。
さすがに自主でもまずいと感じた人がいたのかな、弁護士とかで。



しかし、一度あげてしまったコブシのおろしどころに困ってしまって、
使途を「地域貢献などに限定する」って、なんというか、とても日本的。


ご存知の通り、日本の多くの自治体は、条例策定能力とリソースが少ないため、政策実現手段として、指導要綱を用いています。スシ、テンプラ、カンバンホウシキに続いて英語にもなったと噂の「行政指導(gyouseisido)」ですね。


従わなければ別の態様で嫌がらせをする(水道水を引かせないとか、ごみを回収しないとか)ことをちらつかせて、「同意」という形式をとって、相手方が任意に自分たちの目的(マンションの戸数を一定限度に抑えるとか)を達成することに応じてくれた、とするわけですね。

脱線ついでですが、行政がマンションの戸数を抑えるのは、人が増えるとめんどくさいからです。小学校も整備しなければならないし、水不足のときの対応も大変だし、ごみ処理も処理場が足りないっという感じです。特に悪意はないです。めんどくさいだけです、仕事が増えて。普通そうだと思います。行政や裁判所の感覚の全てはこれです。仕事が増えるとめんどくさいのです。難しい仕事だとなおさらです。質も量も抑えたいのです。組織として、まあそりゃそうだと思います。たくさんやろうが少なくやろうがもらえる金が同じなら、そりゃすくないほうがいいでしょ。じっくり取り組めて、仕事に対するモチベーションもあがるし。職業倫理だけに頼るのは無理です。


本線にもどると、今回の、Jリーグの対応もとても似ていますね。
なぜか、チェアマンが、人の金の使い道に「提案」をして、川崎が、それに応じたわけです。






これ、応じなかったら、どうなっていたと思います??


「せっかく反省したと思ったから厳重注意でとどめてやったのに、信じられん。全く誠意が感じられん。規約がないから、とりあえず罰金にはしないけど、こんな対応をするクラブがJリーグを優勝するとしたら、ケシカラン事態だ」なんていうかもしれません。

それをマスコミが面白おかしく、書く。

「川崎、反省の色見られずっ。」、「規約の不備を逆手にっ」、「こんなチームを優勝させていいのかっ」とかね。


はあ。なんだかなぁ。
どう考えてもチェアマンってのは権力者なんだからさ、マスコミは批判しようよ・・・。
礼儀とかさ、別の機会に教えようよ・・。金に絡めるのやめようよ。
というかさ、マスコミもさ、チェアマンが言い出したときだけ取り上げるのやめようよ。気になるなら最初から書けよ。チェアマンにただ乗りするなよ。



最近仕事がたまっていたため、つい、裁判所書記官に声を荒げてしまい、とても反省しています。人に感情をぶつけてしまって、本当に申し訳ないと思う。でもよかった、5000万の罰金にならなくて。5万円でも無理でした。



ではまた。