川崎追記ー本当に問題だと思う
川崎の話には続きがありましたね。
気づいたら、川崎が、
「健気に更生を誓って精一杯フェアプレーをするチーム」
というキャラを与えられている。
何、これ？
マッチポンプ？
悪いやつだとマスコミ総出でいじめといて、更生物語として今度は持ち上げるって、、、。
完全に不良物語として扱ってますね。
マスコミの人たちとかって、本当にスポーツをこういう風に扱うのが好きですね。
かれらは、多分スポーツ選手のことを尊敬していません。
多分、「スポーツが出来るだけの人間」として扱っています。
だから、いつまでたってもスポーツ選手を子ども扱いして、悦に入っていますね。
スポーツ選手ってのはビジネスマンではなくて、
遊びや趣味の延長で飯を食ってるやくざな人間だと思っているんだと思う。
だから、礼儀がなっていない、とかいうわけのわからない理由で
５０００万の課徴金を課しても違和感がないんだと思う。
スポーツ選手が、
もの凄い才能に加えて、
信じられないほどの努力を積み重ねて、
究極の結果主義の中、尋常じゃないストレスに打ち勝って、
人々に比類なきサービスを与えていることを、
大した才能もないのに、
少しのコネと、幸運と、ほんのちょっとの努力の結果、
全く結果を求められないけど、不規則な勤務であることを多忙と履き違え、
必要性も、革新性も見当たらず、ないよりはまし、という程度の駄文を書き散らかしている
マスコミの人たちは、
気づかないか、気づいているけどプライドが傷つくから気づかないふりをしているのか。
なぜかマスコミの人たちは、スポーツ選手を馬鹿にします。
多分悔しいんだと思う。若くして、高級とりで、もてるから。
で、特に若いスポーツ選手は、確かに少し頭は悪かったり、態度が悪かったりするから。
で、そこを叩きまくって、溜飲を下げると・・。
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川崎は年商で３０億で、年間の経常利益がちょうど５０００万くらいです（平成１９年）。
毎期の繰越剰余金が１億５０００万円くらい。
ちなみにこの年の順位は５位で、奇しくもナビスコカップで準優勝しています。
ナビスコカップを準優勝したら５０００万円入る、というのは当然わかっていますから、決勝戦に進出した時点で、最低でも５０００万円入ることを前提に、資金繰りを組み立てます。
年商３０億の経常５０００万円の黒字を何とか出しているくらいの会社で、
５０００万円の売掛金債権が、いきなりゼロになったら会社つぶれてしまいませんか？
５０００万円の賞金をチャラって、そういうことですよ。本当にそんなことを簡単に許していいんですかね。事前にルール作りをせずに。
今回、川崎の選手は、試合前に全員がスーツで挨拶をし、ファウルも相手チームの半分以下（２０対８）、イエローカードもレッドカードも無し、判定に苦情も言わない、関係者・選手が涙ながらに謝罪、で、現在首位のチームが、Ｊ２降格が決定したチームに、３−２で辛くも勝利しました。
これをみて、マスコミは、「反省した。」「更生した。」「あんなに礼儀を知らなかった若者が立派になった。」「我々が教育をしたんだ。」くらい思ってそう。
彼らは、反省はしました。ですが、それは、礼儀を知らないと言うことが、日本中を敵にして、５０００万円を支払わされるような大変な罪であることに気づいたからです。
彼らは、今回、もし判定に苦情を言おうものなら、それこそどれくらいたたかれるかわからなかった。少しでもファウルをしたら、すぐにレッドカードを食らうかも知れないと思った。
もちろん本当に反省して、自分たちの態度を改めようと思ったのだと思う。
でも、サッカー選手としては尋常じゃないほど、チーム全体がクリーンで、おとなしくなった。
彼らがそんなにおびえてしまったのはなぜか。
刑罰が事前にきめられていないからです。
権力者（鬼武やマスコミ）が勝手気ままにきめられるからです。
今回苦情を言ったら、数試合出場停止になっちゃうかもしれないからです。
「更生」ではない。
「怯え」であり、「恐れ」であり、つまりは「自粛」だ。
典型的な萎縮効果です。
１９８４の世界です。
疑心暗鬼の世界です。
典型的な法の欠如です。
近代国家として、まじで恥ずかしいと思います。
高校野球とかもそうです。
気分次第の独裁国家です。
気分次第で、金を取ってはいけません。
どんなに腹に据えかねることがあっても、人から金を取るには、ルールが必要です。
私がどんなに鬼武とスポーツ新聞の行状に腹に据えかねていても、彼らから制裁金を取ることは、私には出来ません。なぜ鬼武には出来たのでしょう。
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ちなみにナビスコがこれまで１０年以上も毎年スポンサーをやってくれていることへの感謝が足りないとか、不遇の時代を支えたのだ、とか、そういう感覚もわからないでもありませんが、それはあくまで気持ちの問題です。ビジネスとか法の問題ではありません。
彼らは毎年賞金として２億弱を支払います。
確かに巨額です。
１人のサッカーファンとしても、ナビスコががんばってくれなかったら、
日本のカップ戦は天皇杯だけになっちゃってつまんなかっただろうし、ここまで盛り上がらなかったと思う。功績はすばらしい。
ただ、まずビジネスライクに言うならば、ナビスコは、スポンサー契約をしただけです。
２億を払って、半年にかけて報道されます。
また、Ｊリーグを支援しているというブランドイメージを作ることが出来ています。
ゴルフのスポンサーは、１週間だけで、１億から２億を支払います。
石川遼がでるまで、男子ゴルフは不遇でした。
スポーツスポンサーというのはそういうものです。
不遇の時代に金をかけて、権威のある大会になったら元が取れます。
一つのビジネスです。
こういうことを言うと、心意気がないとか言われそうですね。
私もちょっとこの理由付けは心意気はないと思うので、
別の理由も。こっちのほうが大きいかな。
なんというか、川崎の人たちはさ、ナビスコの人たちとか皇族の人たちには、何の悪感情も持っていなかったわけですよね。単に自分たちのふがいなさとか、負けたことの悔しさとか、そういった感情があって、それが余りにも大きくて、少し社会的な振る舞いが出来なかっただけでしょ？
突然娘が結婚に行くことが決まった人が、大酒食らって騒ぎまくるとかさ、
彼女に振られたやつが、泥酔して電車の中で吐きまくるとかさ、
転勤を命じられた人が、上司に愚痴交じりで絡みまくるとかさ、
なんというかそういった話でしょ。
なんで彼らにだけそこまで強度な社会性というか礼儀を求めるのかね。
皇族やスポンサーにひどい態度をとるというのは、スポンサーに食わせてもらっているんだから言語道断、というのは余りにスポンサーにお追従過ぎる。
なぜ、負けてずたずたに傷ついている人たちに、笑顔で銀メダルをもらうという価値観を強要するのだろう。負けてずたずたな人たちが、その場に座り込んで、表彰式にも出られない、という方が本気の気持ちが伝わってすがすがしいと感じる価値観を、どうして許容しないのだろう。ドーハの悲劇で、ラモスが笑顔で握手できるか？
もちろん、自身の価値観に照らして、彼らが許せないという気持ちを持つのはかまわない。でも、それをマスコミで話しまくって、書かせまくって、ナビスコに謝りに行く布石を打って、自分の責任を回避して、全てを選手に押し付けて、挙句の果てには制裁金って、どういうことさ。
本当に信じられない。私は負けてすぐに笑顔で握手を求めるのがすばらしい、という気持ちまではわかる。それはすごい精神力を必要とするからだ。悔しくてはらわた煮えくり返っている感情を、より強い自制心で押し殺すからだ。それはすごい精神力だ。でも、負けてすぐに笑顔で握手を求めるのが、当然、という価値観は理解が出来ない。
なぜ自分の価値観を当然と思うのだろう。そして、なぜそれを実践しない人間に、制裁を加えるのだろう。
今回の事件は、本当に問題だと思う。
自分の価値観をルールとして、押し付けるというのは、決してやってはいけない。
仮にその価値観が、多数決を採れば７割の賛同を得られるとしても、決してやってはいけない。
３割の人の価値観を否定することは決してやってはいけない。
言葉で批判するのはまだいい。でも、権力を振りかざして、罰を与えることだけはやってはいけない。
どんな組織でもやってはいけない。
それは、個人の人格の否定であり、全体主義の肯定だ。
本当に問題だと思う。
ではまた。
[追記の追記]
・今回の制裁金は、形式的には自主返納ですが、そんなん誰がどう考えたって「自主的」ではないので、この点は、措きます。一応彼らも、制裁を課すには法的手続きが大変なので、「自主」の形をとっただけです。というか、これもまた、「解雇」にも関わらず、「退職届」を書かせる法と人格を完全に馬鹿にした陰湿さがあって、嫌いです。
・多分、鬼武とかマスコミは、おじいちゃんがお年玉を上げたら孫がとても不遜な態度だったので、親がしかりつけて、おじいちゃんに謝りに行かせるとともに、お年玉を返しに行かせるという感じかな。多分、この後、ナビスコが大人な対応を見せて、返済された賞金を川崎に返すか、又はＪリーグに寄附すると思う。で、小学校の校庭緑化運動とかに活用したって、大々的に報道されるんだと思う。めでたしめでたし、って、何を言ってるんだか・・。
