私が食券を嫌いな理由

私は立ち食いソバが大好きで、色々な店を探索している。
週に3回くらいは通う立ち食いそばだけど、食券制度は好きではない。学生の頃からそうだった。なぜかは分からなかった。
この前、食券を買って店内に入ったものの、混雑していたため5分ほど待ちぼうけをくらってから、ようやくその理由がわかった。

食券を買った瞬間に、われわれは客ではなくなる。
店は既に債権の回収を済ませているため、回収に汲々とする必要がない。つまりは客として扱う必要がない。店からすれば、債務不履行にならないためにやむなく商品を渡すだけだ。どこか空気は弛緩する。

他方、事後会計制なら、なんだかんだで最後に金をもらうまで、店にとっては客のままだ。
もちろん既に食事は提供していて、仮に客が金を払わなければ無銭飲食の犯罪になるわけだけども、やはり債権は回収して初めて意味があるから、回収が確定するまでは緊張関係がある。
だから、客へのサービスも、会計に至るまで研ぎ澄まされる。凛とする。

自分はこの空気の差が本能的に嫌いだったんだなぁと、この前ようやくわかった。


ではまた。